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北の都にかつてあった、ある女子寮の記録と思い出

77 寮祭について(1)当日外企画

寮祭本番の数週間前の土日を利用して行われる、女子寮生だけのレクリエーション企画は、当日外企画と呼ばれた。

わたしは確か当時この部局に所属し、2回生に上がった時はサブチーフを務めた。

大したインパクトのない行事なので正直記憶があいまいなのだが、大きく分けるとこの企画で行うことは「レクリエーション」と「餅つき大会」だった。

(1)レクリエーション

近隣にある市民体育館を借りて行う。大体は温和な、体育の授業みたいな内容だった。鬼ごっことか、ドッジボールとか、多人数で出来てそれなりに体を動かす内容なら制限はなかったと思う。

 

(2)餅つき大会

こちらの方が記憶が鮮明だ。

朝から午後いっぱいかけて行う行事だったので、(1)とは別日に行ったはず。

事前に部局員がもち米や各種シーズニング(きなことかあんことかごまとか)、ペットボトル飲料、紙コップ、紙皿などを買い出ししておき、当日朝に炊き上がるように部局員の手持ちの炊飯器を総動員してもち米を炊いた。当時は1人1つ炊飯器を持っているのが当たり前だったが(余談だがわたしは2回生の春になるまで買ってもらえなかった、1年間どうしてたんだ…)、いかんせん、3合炊きの可愛らしいサイズばかりなので、部局員が総出で炊く必要があった。

朝、準備をして部屋を出ると、自炊室からぷあんと香ばしい炊きたてのもち米の甘い香りが廊下まで漂っていて、幸せな気持ちになったことを思い出す。

 

餅つき大会なので、1,2回生が協力してもちを搗く。部局員が中心となってもちをひたすら搗き、他の参加者たちはもっぱら食べる側である。

わたしは搗きたてのおもちがたくさん食べたくて、つい手がおろそかになってしまった。

臼と杵は2台あり、1台は北溟寮から貸してもらった。搗いたおもちは小さくちぎって分け、用意した味付け(または参加者が自前で持ってきたもの)で食べた。食欲旺盛な若い女の子たちなので、もちはすぐになくなってしまう。

借りてきた方の臼が壊れかかっていて、そちらの臼で搗いたお餅には細かい木くずがたくさん混じってしまい、食べるときに友達と大笑いしながら指でほじくって取り出しながら食べたのも、今は良い思い出である。