memoriae8981

北の都にかつてあった、ある女子寮の記録と思い出

【朗報】寮内の書類及び物品、備品等が大学資料館に寄贈されていた

朗報

 去年の春、惜しまれつつも廃寮となったH寮とS寮。その施設内に残されていた物品等が、最後の寮生たちの手によって大学資料館に寄贈されていたようだ。

 本当にホッとした!

 廃寮までの数年間、もし廃寮まで何もしなかったら、内部に残された書類などのレガシー(主に会議や寮祭の記録書類等)はどうなるんだろうと、外野ながら気をもんでいた。現在の在寮生にコンタクトを取り、それは寮史を証明する大事な資料(史料)だけど、廃寮後はどうするつもりかと問い合わせてはいたものの、当の本人たちは全然頓着していない様子。大学の資料館に入れられるならいれてもらいなさい、もし断られたら私が書類だけでも引き取ると伝えていたのだが、その後本人たちも引っ越しの準備などで忙しいのか、まったく連絡をもらえぬまま年度末をむかえてしまったのだ(電話すると言っていたのだが、、まあ学生さんなので仕方ないかと)。

 電話口での態度は至極恬淡としたものだったので、「異様に愛寮心の強いヘンな卒寮生の戯言と取られて、何の対策も取っていないままだったらどうしよう」と心配してはいたが、私としても八方手は尽くした末の結末だったので、「もしこれですべてが廃寮と同時に烏有に帰したとしても、後は私自身の思い出をたよりに記録の作成を進めていくしかない」と、ある意味吹っ切れた気分でいた。

 年が明け、少し時間ができたので、ハテあれはどうなっただろうかと思い大学資料館に連絡を取ってみたところ、上記の返答を得ることができたのだった。

しかも、寮生たちが持ってきた物だけではなく、資料館のスタッフ達自身でも廃寮後の寮内に足を運び、あちこちからめぼしいものを集めて引き取ってきたというではないか。

その数、曰く数百点。

GOOD JOB!!!!

 

今後

現在、当該収集品は燻煙処理を行い、収蔵のための整理を待っている状況のようで、いずれ整理が終わればリストを公表し、それから近いうちに展示なども考えているとのこと。

私の頭の中には紙資料のことしかなかったが、彼らは寮の正門にかけられていた表札やら、厨房に残されていた昔の食器やら、見学者用ネームプレートやら、寮内に残されていたアルバムなど、種々雑多な品物を幅広く集めてきてくれたという。多角的な視点から集めた史料が未来に残れば、「ありし日の寮のすがた」も立体的に残すことができるだろう。

やはり私一人で独断で進めず、資料館というプロを頼るように進言したのは間違っていなかった。

卒寮生で、寮生時代の記録を整理しているところだと説明すると、スタッフの方は電話口で丁寧に色々と教えてくれた。

その姿勢から、資料館サイドでも「寮の史料は貴重なもので、大学のためにも未来に残すべきものだと考えている」のが感じられたことが何よりうれしかった。

整理の完了はいつになるか分からない(同時に廃寮した男子寮の物も同じくらい大量にあるため)が、いずれ完了すれば、申請して閲覧することは可能らしい。一安心である。しかるべきところに収まってくれて本当によかった!しばらく伺うのは難しいだろうけど(なにしろここは遠い)、いずれ企画展でも開催の折には、ぜひ訪問したいと思ったのであった。

 

museum.w3.kanazawa-u.ac.jp

なお、資料館のサイトをlinksにも貼ったので、参照されたい。